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6月絵本原画展

阪口笑子

<プロフィール>

1951年 和歌山県印南町生まれ。

セツ・モードセミナー研究家卒業。 

2006年はじめての創作絵本「ソラとスナウト」を「Pooka」誌(学研)に発表。作品に、『たっちゃんしりませんか』『おかあさんあのね』『またあした』(すべて小峰書房刊行)。『みずたまりくん』『おーい いちごサンダル』(共に至光社こどものせかいより)、『名前を見てちょうだい・白いぼうし』(あまんきみこ著)、『ひろくんとおいら』(共に岩崎書店)などがある。

NHK Eテレ おはなしのくに「金太郎」の作画  2017年8月放映予定

「阪口笑子 絵本原画展」にあたり阪口氏の寄稿文

 

 

絵本「おーい いちごサンダル」と「ひろくんとおいら」が出来ました。嬉しくてたまりません。今回の個展に際して、私が絵本を描き始めたきっかけについて少しお話ししたいと思います。それは11年前の母の死が始まりでした。

私は和歌山県の印南という紀伊半島の真ん中に位置する海と山に囲まれた小さな街で生まれ育ちました。母親を失って初めて気づきました。生まれ故郷の風景と陽に焼けた同級生の顔たち、かけがえのないものの正体、それらに思いを重ねた感触を表現したいと願うようになりました。しかし、すぐにはその術がみつからない。そしてまたその後も迷うばかりの私です。形を変え繰り返し描いている内、ずいぶん遠回りしておいらこと猫のスナウトが大事なことを私のところへ教えに来てくれました。

この度の絵本刊行にあたっては編集の方々にたくさんの励ましをもらいました。その感謝の気持ちを手でそっとすくってスナウトにも、あげようと思います。

どうぞ私の個展に足をお運び下さい。ありがとうございます。いずれまた。

 

阪口笑子

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